『毎日新聞』三重版2012年6月30日付
三重大:上野市駅前に「知の拠点」 忍者、まちづくり産学官 /三重
三重大は29日、伊賀市の上野市駅前再開発ビル「ハイトピア伊賀」内にサテライトオフィス「伊賀連携フィールド」を開設した。市、上野商工会議所と連携し「忍者」と「まちづくり」を軸にした研究や教育活動を進める。市民講座も開き「知の拠点」として大学のない伊賀地域の発展を目指すという。【矢澤秀範】
上野商議所の3階フロアにある「地域活性化センター」(約40平方メートル)に開設した。人文学部が中心となり、伊賀に密着した研究や現地授業、まちづくりの提案などを行う。記者会見で樹神(こだま)成・人文学部長は「日本は東京・秋葉原や京都だけではない。留学生にも来てもらい、伊賀を世界に発信できたら」と話した。誘致にあたった商議所の田山雅敏副会頭は「商議所内に大学機能があるのは、おそらく日本初で画期的なこと。産学連携で伊賀市の活性化を図りたい」と期待を込めた。
今年度は「忍者文化」に着目した学術研究を進める。国内外の忍者に関する文献・アニメ・映画などをデータベース化するほか、伊賀流忍者博物館所蔵の古文書整理、市民向けの連続講座(無料)を開催する。