天心が縁、2大学連携 茨城大と横浜国大、六角堂資料30点寄贈『茨城新聞』2012年7月14日付

『茨城新聞』2012年7月14日付

天心が縁、2大学連携 茨城大と横浜国大、六角堂資料30点寄贈

 茨城大(池田幸雄学長)は13日、明治期の美術思想家、岡倉天心が生誕した横浜市の横浜国大(鈴木邦雄学長)に対し、東日本大震災の津波で流失し今年4月、創建当時を模して復元した六角堂(北茨城市)の鬼瓦など資料計30点を寄贈した。来年、天心生誕150年を迎えることから、横浜国大は記念事業としてこれらを学内に展示し、シンポジウム開催なども予定。池田学長は「岡倉天心から学ぶべきものを共有したい」、鈴木学長は「学術面でも交流を深めたい」とし、天心が結ぶ連携の幅を広めたい意向だ。

 茨城大によると、寄贈は横浜国大側から茨城大に依頼があった。横浜国大は、来年の記念事業に当たり、天心の五浦在住に関わる六角堂の資料が不可欠と判断した。

 寄贈品は、流失して海中から回収された元の鬼瓦のほか、今回の復元で新たに作られた鬼瓦、イギリスに特注した窓ガラス、年表や写真などのパネル資料など。

 同日、水戸市文京2丁目の茨城大で、贈呈式があり、池田学長が鈴木学長に寄贈品を直接手渡した。鈴木学長は「茨城大が迅速に六角堂を復興したことに感動した。茨城大のパワーを見せてもらった」と、感謝の言葉を述べた。

 岡倉天心は、1863年の誕生から11歳まで横浜で過ごしたという。

 横浜国大では、寄贈品を学内のミュージアムに展示する方針。鈴木学長は「横浜は生誕地でありながら、岡倉天心についてあまり知られていない。記念事業をきっかけに学生にPRしたい」との方針を示した上で、「知的財産を共有することで、国立大としての存在価値が高められる」と、茨城大との連携の意義を強調した。 

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