ニュースレター NO.29
2011、4、10
公正な学長選考を求める裁判を支える会
事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内 (TEL/FAX 088-844-1489)
4.22(金)控訴審
第1回口頭弁論
-於高松高裁 14:30~ ー
高知大学の構成員の皆さん。この裁判に注目している全国の皆さん。
来る4月22日いよいよ、高松高裁での控訴審が開始されます。
「控訴理由書」の内容は大きく二つの部分に分かれおり、その概要は以下の通りです。
1 根小田先生の原告適格
一審は、根小田先生には学長任命にかかわる訴えを起こす「法律上の利益」が存在しないとしましたが、「控訴理由書」ではそれに対して、「学長選考会議」委員である根小田先生には(1)学長候補者を選考する権利 (2)対外的説明責任、公正性・透明性の確保の観点から、違法不当を糾する権利 (3)大学の自治・学問の自由の見地から違法不当を糾する権利があるとしています。そして以下のように主張しています。
「行政法改正の経緯からいっても原告適格は広く認められるべきであり、本件のように学長選考の公正な運営を監督すべき立場にある学長選考会議の委員には、その公益に重大な損害が生じないよう個々人の具体的利益として、学長任命の取消または無効を求める原告適格が当然に与えられるべきである。」
2 任命処分の違法性
控訴理由書はまず、「学内意向投票」の際に生じた重大な三つの瑕疵を指摘します。それは以下の3つです
① 票のすり替え等の不正行為の可能性
② 無権限者である職員K・Bの関与
③ 一旦解散した意向投票管理委員会が再度開催されたこと
このような瑕疵の結果、学内意向投票が二つの結果を有することになってしまったことについて「学内意向投票は実質的には存在したということはできず、法的には存在していないものといわねばならない」としています。
更に、学内投票の位置づけについて憲法23条の「学問の自由」に根拠をもつとしたうえで、上記の手続き的瑕疵・違法行為は選考会議裁量の範囲をはるかに超えており、司法によって正されるべきものと主張しています。
そして、最後にそれらの論拠に基づいて、「よって、選考会議の選考は違法・無効であり、この違法・無効な候補者選考を基礎としてなされた本件文部科学大臣の相良を国立大学法人高知大学の学長に任命するとの処分も違法であり、無効もしくは取り消されるべきである」と主張しています。
4月22日は高松での公判ですのでこれまでのように簡単には傍聴できませんが、裁判の模様はできるだけ早く、報告いたしますのでご注目ください。
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相良学長黙祷せず!?
去る3月23日 高知大学の卒業式が行われました。
式の冒頭、先の東北関東大震災で犠牲になった方々への「黙祷」が行われ、出席者は全員起立して黙祷を行いました。
ところが、肝心の相良祐輔学長の席(人文学部長の隣)は空席だったのです。相良氏は黙祷終了後おもむろに登場し席に着きました。つまり「相良学長だけが黙祷しなかった」のです。
そのあと行われた「卒業式告辞」でも、震災のことはひと言もふれられませんでした。さらに去る4月3日に行われた「入学式告辞」でも震災には一切触れることなく、哀悼の意の表明もありませんでした。未曾有の大震災によって、日本社会全体が深い悲しみと果てない不安に打ちひしがれている中、そのことに全く触れなかった学長告示を異常と感じた出席者も多かったようです。
大学の最高責任者である学長が、「宮内庁からの呼び出し(歌会始)」を口実にセンター試験日に留守であったことに続いて、高知大学はますます他に例のない「オンリーワンの大学」になりつつあるようです。