災害対策で官学連携 富大学長と知事が懇談 教員養成でも協力『中日新聞』富山版2011年4月19日付

『中日新聞』富山版2011年4月19日付

災害対策で官学連携 富大学長と知事が懇談 教員養成でも協力

 石井隆一知事、遠藤俊郎富山大学長の初めての会談が十八日、県庁であり、災害対策や教員養成など六分野で連携を深めることを確認。今後は富山国際大や県立大など他大学のトップを交えた懇談で情報交換と協力を進めることでも一致した。

 富山大は東日本大震災で医療救護班や精神科医などを派遣しており、遠藤学長は被災地に関する県との情報共有の重要性を指摘。また、富山大への留学を予定していた学生の一部が風評被害で留学をためらっているとして、富山での日常生活に安心が持てるような情報発信も求めた。

 これに対し石井知事は「必要な情報ができるだけ速やかに富山大に届くように、さらに実務的に詰めたい」と述べ、情報提供の充実も検討する意向を示した。また、県地域防災計画の見直し作業に当たっては、地質学や災害医療を専門とする富山大のスタッフの助言を要請した。

 教員養成の分野では、教育現場が求める能力を育む教員養成プログラムの開発を目指し、現状や課題などを探る「教員養成課程検討会(仮称)」の初会合を五月に開くことを確認。その後、開発の調査検討を県が富山大に委託することにした。石井知事は教育学部から改組した人間発達科学部では国語などの免許が取りにくいことを課題の一つに挙げた。

 医師・看護職員の確保に向けては、特に臨床研修医の確保に向けた相互努力を確認。東南アジアからの留学生の受け入れ増加を重視する点でも一致した。石井知事は受け入れの増加に向けて、経済界と相談しつつ資金面を支援していく考えを明らかにした。

 会談は昨年九月の「富山大コラボフェスタ2010」のシンポジウムに石井知事と西頭徳三前学長が出席した際、石井知事が開催を呼びかけたことで実現した。

  (相馬敬)

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