『北國新聞』 2014年2月8日付
奥能登へ医師派遣継続 金大と金沢医科大
金大と金沢医科大は、能登北部地域(奥能登)への医師派遣を来年度以降も継続する。両大に医師を派遣してもらうため県が設けた寄付講座は今年度末で終了するが、引き続き診療支援を行うことで県と合意した。内科、外科などで今年度までと同規模の医療体制を維持し、医師不足が深刻な奥能登で「切れ目のない医療」の提供に努める。
奥能登への医師派遣は2010年度から、両大合わせて六つある県の寄付講座を通じて実施されてきた。寄付講座に所属するスタッフが診療支援として派遣される。
今年度は12年度と同じ、常勤15人と非常勤12人の計27人が、公立4病院(市立輪島、珠洲市総合、公立穴水総合、公立宇出津総合)を中心に派遣されている。
また、公立能登総合病院には常勤医4人が配置されており、同病院から奥能登の病院へ非常勤医師を派遣できる副次的効果も生まれている。
臨床研修後に一定期間、県内勤務が義務づけられている金大医学類特別枠の医師が誕生するのは17年度から。県では寄付講座が終了した後、17年度までの「空白の3年間」の医師確保が課題となっていた。
来年度以降も両大の協力を得られることが決まり、県は「奥能登の地域医療に空白を生じない体制が維持できる」(地域医療推進室)としている。