『茨城新聞』 2014年2月6日付
取手の病院に医師派遣 筑波大、市医師会と協定
筑波大(つくば市、永田恭介学長)と取手市医師会(真壁文敏会長)は5日、同医師会が運営する取手北相馬保健医療センター医師会病院(取手市)に同大から3人の教員(医師)を派遣し、寄付講座を設置することで合意した。全国平均の7割にとどまる取手・竜ケ崎医療圏の医師不足に対応するためで、地域医療を学ぶ若手医師の育成にも務める。
寄付講座は医師会病院内に筑波大付属病院のサテライト拠点を設けて設置される。期間は4月1日から2019年3月末までの5年間。
教員(医師)は筑波大が現在、全国から公募しており、4月から教授、准教授、講師の3人が常勤で働く予定。人件費などの費用は年間4500万円で同医師会が寄付。3人は現地で患者の診療に当たるとともに、医学生や研修医を受け入れて指導し、さまざまな症例を学んでもらうことで地域医療を志す人材を育てる。
寄付講座設置の協定書締結式は5日、筑波大で行われ、永田学長は「医師会病院を県南地域の教育研究拠点と位置付け、この地域の医療の充実と強化を図りたい」、真壁会長は「人材が限られている中で、画期的な取り組み。地元の人にとっても無上の喜び」と語った。
筑波大付属病院は2009年以降、県内各地の中核病院と連携し、今回のようなサテライト拠点を北茨城、日立、ひたちなか、水戸、土浦、神栖など各市に開設しているが、医師会と提携するのは初めて。取手市医師会は取手や守谷市の開業医で構成。医師会病院の病床数は215床。