『朝日新聞』 2013年11月7日付
複合機からネットに内部資料漏れる 東大や琉球大
コピーやスキャナー、ファクスなどの機能を1台にまとめた複合機を通じ、東京大や琉球大など複数の大学で学内試験の答案などの内部資料がインターネット上で誰でも閲覧できるような状態になっていたことがわかった。パスワードなど事前のセキュリティー設定が不十分だった可能性があるという。複合機は官公庁や企業などに普及しており、リコーや富士ゼロックス、キヤノンのメーカー各社は自社のホームページでセキュリティーの仕組みや設定方法を紹介するページを設けた。
東大広報課によると、6日午後、学内から「(ネット上で)内部情報が閲覧できるようになっている」との指摘があった。漏出した資料は東大医科学研究所のものとみられる。同研究所に設置され、ネットに接続された複数の複合機から漏出したらしい。東大広報課は「漏出した資料に個人情報が含まれていたかどうかを調査中」としている。
琉球大では、今年実施した学内試験の答案がネット上に漏出していた。同大関係者によると、数日前に大学外部から「ネット上で、学生の情報が閲覧できる状態になっている」との連絡があった。調べたところ、大学内の複合機のスキャナーで取り込んだ答案の点数や学生の名前などが、外部から閲覧できるようになっていたという。同大総務課は「事実関係を調査中」としている。
内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)によると、今年6月から、全ての中央省庁で使用している複合機のセキュリティーを調査しており、来年3月をめどに結果を取りまとめる予定だ。現在のところ情報流出は確認されていないという。