大学発ベンチャーの7割、売上高1億円に届かず 『日本経済新聞』 2013年8月16日付

『日本経済新聞』 2013年8月16日付

大学発ベンチャーの7割、売上高1億円に届かず

帝国データバンクが15日発表した大学発ベンチャー企業の調査によると、約7割は売上高が1億円を下回った。約半数は5000万円未満だった。有望技術や特許を強みに設立しても、事業が軌道に乗らず苦戦が目立つ。経営手腕の優劣が業績を大きく左右しており、損益状況を開示する企業に限れば55%が最終黒字だった。

2012年の売上高が分かったベンチャー企業(536社)を対象に調査を実施した。売上高が1億円未満は360社(67%)、そのうち5000万円未満が251社(47%)だった。有望技術や、特許、アイデアを持って起業したにもかかわらず、市場調査が未熟で商品開発が遅れるほか、販売網を広げられないなどの課題がある。

損益を開示した304社のなかで最終黒字だったのは166社だった。そのうち設立から5年未満の企業は5%(9社)にすぎない。大学発ベンチャーは研究開発などで先行投資が重くなりがちで、利益を出しにくい構造がある。研究者が経営トップを兼務する企業が多く、戦略立案や資金調達などの力量に左右されている。

調査対象の企業のうちの設立年では03年が64社とピークとなり、11年が12社とほぼ減少を続けている。新規株式公開(IPO)したのは、バイオ関連のミドリムシ培養のユーグレナ、画像加工ソフトのモルフォなど15社あった。

 

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