奨学金制度の改革を 中京大・大内教授、神戸で講演『神戸新聞』 2013年6月24日付

『神戸新聞』 2013年6月24日付

奨学金制度の改革を 中京大・大内教授、神戸で講演 

 「奨学金問題と学費を考える兵庫県集会」がこのほど、神戸市中央区雲井通の市勤労会館で開かれた。大内裕和・中京大教授が講演し、困窮する若者の生活実態を指摘するとともに、現行の奨学金制度について、延滞金の廃止、返済猶予、給付型奨学金の導入など抜本的な改善を訴えた。(中部 剛)

 兵庫県内の弁護士や労働組合などで「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」(共同代表・赤松範夫弁護士)が設立され、初めて集会を開いた。

 大内教授は、今年3月末に発足した奨学金問題対策全国会議の共同代表。大学生や若者の貧困対策に取り組んでいる。

 大内教授は、日本の学費は先進国の中でも高額だとした上で、「50代になっても奨学金の返済が終わらない人や、祖父母が年金から返済しているケースがある。働き始める前から年収以上の借金を抱えている状況だ」と、これまでの相談事例を交えながら話した。

 教授によると、独立行政法人・日本学生支援機構(旧日本育英会)が貸し出す有利子奨学金は1998年度に11万人だったのが、2012年度は96万人に達している。教授が最も問題視しているのは、年利10%の延滞金と機構の厳しい取り立て。「学生の修学を支える奨学金ではなく、事実上のローン。貧困ビジネスだ」と訴え、返済猶予、有利子の無利子化、返済のいらない給付型奨学金の導入などを求めた。

 兵庫の会では、奨学金で悩んでいる人の相談を受け付けている。事務局TEL078・362・1166、メールhy-shougakukin@mbr.nifty.com

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