東大4学期導入 秋入学見送りの背景に、進まぬ社会環境整備MSN産経ニュース配信記事2013年6月19日付

MSN産経ニュース配信記事2013年6月19日付

東大4学期導入 秋入学見送りの背景に、進まぬ社会環境整備

 東大が、他大学を巻き込んで実現を目指した秋入学全面移行は、本格議論開始から1年余りで「当面見送り」となった。背景には、企業の採用や国家試験の実施時期など秋入学へ向けた社会環境の整備が進まなかったことがある。「全面移行までしなくても、学期の調整で留学促進は可能」とみる他大学との足並みがそろわなかったことも大きい。

 東大は平成23年4月に設置した学内の懇談会で1年議論した結果、大学の国際化を進めるためには欧米の大学で多数派である秋入学への全面移行を積極的に推進すべきだとの結論をまとめ、改革を主導する浜田純一総長が「5年後の導入」に強い意欲を示していた。

 当時の民主党政権も「官民挙げて議論を」と歓迎。最大のネックとされた企業の春季一括採用の慣習や、春卒業を前提とした医師や公務員の国家試験の時期など、抜本的な社会制度改革の検討を各府省に指示したが、議論は進まなかった。

 東大内だけでなく他大学でも懸念が広がり、「導入するなら小中高校全て秋入学にするくらいの変革が必要」との声も出ていた。

 浜田総長は「東大単独ではやらない」とし、旧帝大や早慶など11大学に協議を呼びかけ、昨年5月以降、議論を重ねてきた。しかし、一橋大は春入学・秋始業の新制度導入を検討しているほか、早大も今年度から一部科目で4学期制を導入するなど、それぞれ独自に国際化を目指している。こうした足並みの乱れも東大の構想を後退させた。

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