センター試験に変わる新テスト AO入試に活用も『日本経済新聞』2013年6月6日付

『日本経済新聞』2013年6月6日付

センター試験に変わる新テスト AO入試に活用も

 下村博文文部科学相は6日、高校在学中に複数回受けられる「到達度テスト」(仮称)を創設し、5年後をメドに大学入試センター試験を廃止 することについて「制度設計の方向性は間違っていない」と述べた。そのうえで政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)の提言を受けて、詳細を 検討するとした。

 実行会議は同日、大学入試改革に向けた議論をスタートさせた。安倍晋三首相は会合の冒頭で「高校と大学の接続のあり方は極めて重要。大学入試に過度にエネルギーを集中せざるを得ないことがわが国の教育の問題だ。幅広い観点から議論してほしい」と述べた。

 大学入試を巡っては、年1回の共通テストによる合否判定を重視しすぎるとの指摘がある。また学力を問わないAO(アドミッションオフィス)入試や推薦入試も広がり、学習時間が短く、学ぶ意欲の低い大学生の増加が懸念されている。

 文科省はこうした問題点を解決するため、到達度テストの成績をAO入試や推薦入試の合否判定の条件に盛り込むことを各大学に奨励する考えだ。これに応じた大学には金銭的な支援を行うことなども検討する。

 実行会議は到達度テストの活用方法のほか、論文や面接など多面的な評価方法の活用▽高校と大学の接続のあり方▽英語能力テスト「TOEFL」など外部試験の入試への活用――などを議論し、9月をメドに安倍首相に提言する。

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