首相直轄「大学サミット」 教育再生会議、創設提言へ『日本経済新聞』2013年5月21日付

『日本経済新聞』2013年5月21日付

首相直轄「大学サミット」 教育再生会議、創設提言へ

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が、月内にも安倍晋三首相に提出する提言の素案に、首相直轄の「大学将来構想サミット」(仮称)の創設を盛り込んだことが、20日分かった。新産業創出などのけん引役を担えるよう大学の機能強化を図るのが狙い。

 提言案は大学改革で学長が強いリーダーシップを発揮するため、教授会の役割を見直す必要性にも言及。同会議は22日の次回会合で内容を詰め、正式に安倍首相に提出する。

 提言案などによると、サミットは首相が主催し、国立大などの学長や都道府県知事、産業界の代表者らで構成。新産業の創出や技術革新などで、大学が基幹的な役割を果たすための方法を定期的に議論する。

 まずは各大学や企業が進める研究・開発の情報や経験を共有し、地域を超えた産学連携のあり方を模索。最終的には世界トップクラスの大学に劣らない競争力の獲得を目指す。

 教育再生実行会議では、こうした大学改革を急ぐうえで、各大学の学長の権限を従来以上に強めることが不可欠との意見も多い。このため、提言案は現在、実質的な意思決定機関となっている教授会の役割を、学長の諮問機関にとどめるよう学校教育法の改正検討も求めた。

 世界で活躍するグローバル人材の育成を目指すため、大学入試や卒業認定に英語能力テスト「TOEFL」を導入するよう提案した。

 新産業の創出を巡っては産学が一層の連携を図る必要性を重視。大学が卒業生の起業などを直接支援できる環境を整えるため、国立大学が大学発ベンチャーなどに直接出資できる国立大学法人法の改正も検討課題とした。優秀な外国人留学生の獲得に向け、窓口となる国の海外拠点を新たに設けることにも言及した。

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