「名雪氏解任を」 原発被災者団体 山大学長に要求『朝日新聞』2013年4月19日

『朝日新聞』2013年4月19日

「名雪氏解任を」 原発被災者団体 山大学長に要求

 原子力規制庁審議官を2月に更迭された名雪哲夫氏(54)を山形大学が文部科学省から教授として迎えた件で、「福島原発被災者フォーラム山形・福島」の 武田徹代表らが18日、結城章夫学長と面会して名雪教授の解任を強く求めた。これに対し結城学長は「原発事故に対する福島の方々の苦しみ、悲しみ、怒りは よくわかるが、それと名雪問題は少し違う面がある、と説明した」と取材に答え、名雪氏の解任は「考えていない」と述べた。

 被災者団体と結城学長の面会は冒頭のみ公開で、40分近くにわたった。

 武田代表らは、原子力規制庁の審議官だった名雪氏が日本原子力発電敦賀原発の断層調査の報告書原案を日本原電側に渡していた行為を問題視し、そのような 人物を教授として迎えた結城学長の行為は「福島原発事故で山形県内に避難しているおよそ9千人の人々や苦悩の日々を送る福島県人の心を、土足で踏みにじる がごとき暴挙」と非難した。

 これに対して結城学長は名雪氏を迎えた理由を説明し▽名雪氏への処分はすでに終わり、本人も反省していること▽規制庁時代の仕事と山大での仕事(重粒子線プロジェクト)は違うことなどを「丁寧に説明した」という。

 面会後に県庁で記者会見した武田代表らは「名雪氏の行為は懲戒解雇に値するものと考えている。それを懲戒処分でもなく、決着した問題だと話す学長の認識は、一般常識とかけ離れている」と述べ、要求が受け入れられない場合、文科省に名雪氏の人事撤回を申し入れるという。

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