信州がんセンター開設 信大病院と地域連携強化『長野日報』2013年4月12日付

『長野日報』2013年4月12日付

信州がんセンター開設 信大病院と地域連携強化

 信州大学医学部(松本市)に新たに設けられた「包括的がん治療学講座」と、同付属病院に設置された「信州がんセンター」の開設式が11日、病院隣接の県旭町庁舎で行われた。包括的がん治療学講座では、県内へのがん治療専門医を目指す若手医師を育成し、地域がん診療拠点病院と連携した人材交流も進める。既設のがん総合医療センターを発展的に解消し新たに立ち上げた「信州がんセンター」は、化学療法と放射線治療を同時に行う集学的治療に対応するほか、がん医療支援部、がん情報部を備えて、地域がん診療連携拠点病院との連携を強化する。

 包括的がん治療学講座は、文科省のがんプロフェッショナル養成基盤推進プランを受けて開設。化学療法専門医の小泉知展教授と、放射線治療、緩和医療専門医の助教3人で構成する。がん治療専門医を目指す若手医師の育成に向けて卒前・卒後教育、研修医受け入れなどを行う。さらに通院治療室24床、入院病床8床を運用し、消化器、胸部、血液など多くのがん種の治療を担当するほか、特に集学的治療や原発不明がんを積極的に受け入れる。

 信州がんセンターには、同講座による診療部門に加え、がん医療支援部、がん情報部を設置。医療支援部では地域連携拠点病院との地域連携、診療連携を進めるほか、がん情報の提供や患者支援を行い、情報部では院内のがん登録と地域(県内)のがん登録を進める。1施設で院内と地域のがん情報を集約するのは全国でも沖縄県と長野県だけで、小泉教授は「疫学的にレベルの高い有用な情報を県民に発信できる」としている。

 開設式であいさつに立った信州大学の山沢清人学長は、「県のがん診療の中核拠点病院としての役目をさらに進化させ、県民にレベルの高い医療を提供することが本学の務め。さらにレベルの高い医療を提供していきたい」と述べた。

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