大学入学前 目指せ500万円『読売新聞』2013年4月4日付

『読売新聞』2013年4月4日付

大学入学前 目指せ500万円

 住宅費用、老後費用と並び「人生の三大支出」とされる教育費用。幼稚園から大学までの合計で最低1000万円、最大2500万円必要との調査結果もある。巨額だが、お金のかかる時期は事前に想定できる。その時を意識して、早めの準備を進めたい。

私立は最大2.5倍

 表は、国公立か私立かにより、学校の段階ごとに教育費が平均でいくらかかるかを示した。教育費には入学金や授業料、教科書・教材費といった学校でかかるお金に加え、塾や通信教育、参考書など学校外の分も含まれている。

 一番お金がかからないのが、幼稚園から大学まで全て国公立のケースで、トータル1020万円。逆に最も高いのは全て私立のケースだ。大学が文系で約2400万円、理系で約2500万円になった。一番安いケースの2・5倍だ。私立の医・歯学部を卒業すれば理系の倍近くかかるケースもある。

 遠方の大学に入学するなどして、アパート住まいとなれば、さらにお金が必要になる。

 日本政策金融公庫の調査では、自宅外通学を始める際、アパートの敷金や家具の購入などで約45万円かかる。また、親の仕送り額は年108万5000円。4年間の合計で約479万円の追加負担だ。

聖域化 

 子供の教育については「お金がかかっても、できる限りのことをしてあげたい」と考えるのが親心だ。ファイナンシャルプランナーの竹谷(たけや)希美子さんは「教育費は聖域化しており、なかなか削れない。それだけに、いくらかかるかの目安を把握し、子供が幼いうちから準備を始めることが重要」と指摘する。

 教育費が一番かかるのは大学入学時だ。そこまでに大学4年間分の学費の大半をためることを、竹谷さんは提案する。国立大を目指すなら250万円、私大文系で380万円、理系で520万円が貯蓄額の目安という。子供が幼くて進路が定まらないなら、一番お金のかかる事態を想定して、500万円を目標にしよう。

貯金・保険で準備

 準備には積み立てタイプの金融商品を組み合わせて使うとよい。例えば、銀行の積立定期預金で200万円、学資保険(こども保険)の満期保険金で300万円、それぞれ用意するという形だ。

 学資保険は、貯蓄性の高い商品を選ぶ方がたまりやすい。払い込んだ保険料の総額よりも満期保険金の方が多くなるタイプだ。

 例えば、ソニー生命保険の学資保険(契約者が30歳男性で、子が0~18歳に払い込む場合)は、保険料総額274万7520円(月1万2720円)に対し、満期保険金は300万円。保険料の1・09倍の保険金を受け取れる。

 残り200万円は、同じ18年間の場合、月9260円の積み立てで用意できる(利息は考慮せず)。早めに始めれば、過大な負担にはならない。(田渕英治)

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