「JSTプラザ」京大の産学連携施設へ『京都新聞』2013年3月23日付

『京都新聞』2013年3月23日付

「JSTプラザ」京大の産学連携施設へ

 独立行政法人「科学技術振興機構」(JST)が産学連携推進に向け開設した活動施設「JSTイノベーションプラザ京都」(京都市西京区)が、4月に京都大に無償譲渡されることが22日分かった。2009年に国の事業仕分けで「廃止」と評価され、11年度末に閉館していたが、京都市も協力し、産学連携機能を維持して再出発する。

 プラザは、大学の研究成果を社会に還元する拠点として、04年に新産業創出拠点「桂イノベーションパーク」内に開設した。3階建て、延べ床面積約2710平方メートル。コーディネーターが大学の研究と企業の製品開発を結びつける活動をしたり、産学協同研究などを行ってきた。同様の施設は全国に京都を含め8カ所ある。

 事業仕分けで「経済産業省が考える分野だ」などとして「廃止」が決定し、機構は当初、京都市に売却を打診した。昨年6月に機構が「機能を10年間継承する場合は国立大学法人も含め無償譲渡する」との条件を示したため、京大が受け入れを検討し、3月に無償譲渡が決定した。

 4月からは、大学の研究成果と企業を結びつけるコーディネーターを京大と京都市で計4人配置する。大学の研究者と企業を引き合わせる交流会や、大学による新技術の説明会も計画する。2、3階部分は主に研究用のレンタルスペースとし、賃料を建物の運営費に充てる。京大の大型研究プロジェクトなどで活用する予定という。

 京大は「研究成果の社会還元や新産業創出などの機能を継承し、地域での科学技術振興のさらなる発展を図りたい」(工学研究科)としている。

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