放医研と共同研究へ 山形大の重粒子線がん治療装置『河北新報』2013年2月19日付

『河北新報』2013年2月19日付

放医研と共同研究へ 山形大の重粒子線がん治療装置 

 東北、北海道で初の重粒子線がん治療施設設置に向け、東北の経済界や行政機関、医療団体が意見を交わす「山形大重粒子線がん治療施設設置推進協議会」(会長・結城章夫学長)の2回目の会合が18日、山形市の山形大で開かれた。大学側は、同治療施設の関連費用約10億円が国から初めて予算化されたことを報告し、今後、放射線医学総合研究所(千葉県)などと治療装置の共同研究を進めることなどを説明した。

 東北経済連合会や東北経済産業局、東北大、山形県など15団体から計20人が出席、結城学長が「研究開発経費は大きな前進だが、全体としては(設置まで)1合目、2合目だ」とあいさつした。

 大学側は、2012年度補正予算案に盛り込まれた関連費用約10億円の内訳について、(1)次世代型重粒子線装置の開発に向けた技術開発に7億2000万円(2)広域医療ネットワークを活用した患者情報管理の基盤技術開発に2億8800万円-と説明。150億円とされる建設資金の確保に向け、体制整備など今後の活動予定も示した。

 委員からは「民間から資金を募るには、東北全域から患者を確保できるという見通しが必要だ」「がん治療だけでなく、地元産業の振興にもつなげてほしい」といった意見が出た。

 会合後の記者会見で結城学長は、重粒子線装置の開発に当たり、学外から加速器物理の専門家2人を迎え、放射線医学総合研究所や装置メーカーと共同研究を進めることを明らかにした。研究開発の結果を受け、14年度概算要求に施設建設費を申請する。

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