大学中退者どう支援…あす実態報告と公開討議『読売新聞』栃木版2013年2月5日付

『読売新聞』栃木版2013年2月5日付

大学中退者どう支援…あす実態報告と公開討議

 社会から孤立しやすい、大学を中途退学した人への支援などについて考えるシンポジウムが6日、県庁研修館で開かれる。県内の大学関係者らによる中途退学者の実態調査の報告や、専門家による公開討議が予定されている。主催者は「多くの人と情報を共有し、問題の解決につなげたい」と参加を呼びかけている。

 宇都宮大や足利工業大など県内の6大学やNPO法人、県などがメンバーとなり、昨年3月に発足した「中途退学者に関わる課題・支援検討委員会」が初めて開催するシンポジウム。委員会の調査部会が実施した中退経験者への聞き取り調査の結果や、県内各大学での支援状況などが報告される。

 また、公開討議は「大学等からの中途退学者アンケートより見えてきたこと」をテーマに行う。討議者は、労働政策研究・研修機構の小杉礼子統括研究員、「日本中退予防研究所」(東京)の山本繁所長、県連合教育会の丸山隆相談部長の3人。大学生やその家族が、個別に悩みを相談できる相談会も開く。

 文部科学省によると、大学や短大を中途退学した若者は全国で約6・7万人(2010年度)いるとされる。しかし、大学には中退率を公表する義務がなく、実態把握がなおざりになってきた。小中学校や高校のような「不登校」対策が乏しいうえに、大学を離れると就労支援を受けにくく、そのまま若年無業者(ニート)になる人も多い。県内でも、若者の自立支援を行うNPO法人と大学との連携がほとんどなく、若者が孤立化するケースが目立つ。

 シンポジウムは午後1時半から研修館講堂で行われる。参加は無料。問い合わせは、NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク(028・612・3341)。

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