北陸の大学病院、連携し患者確保 福井大など希少疾患の研究促進へ『福井新聞』2013年2月2日付

『福井新聞』2013年2月2日付

北陸の大学病院、連携し患者確保 福井大など希少疾患の研究促進へ 

 福井大学医学部と同附属病院(永平寺町)は、金沢大など北陸の6大学とともに、連携して臨床研究に当たる「北陸臨床研究推進機構」を立ち上げる。各大学病院合計で約3千の病床を確保することで、患者数の少ない希少疾患の新しい治療法や、新薬の早期開発につなげる。同病院が臨床研究ネットワークに参加するのは初めて。

 参加するのは福井大(600病床)のほか▽金沢大(838病床)▽金沢医科大(835病床)▽富山大(612病床)―の4大学病院と、工学系の金沢工業大、北陸先端科学技術大学院大。2日に金沢大附属病院で合意書を交わす。

 福井大病院によると、国内では医療の基礎研究が充実している一方、臨床研究は欧米が先行。国内で先進医療を受ける時期が遅れる傾向がある。これを受け厚生労働省が臨床研究の促進に取り組んでおり、各地の大学病院でネットワークづくりが進んでいるという。

 同病院でも、これまで他大学との連携は診療科や医師個人単位にとどまっていた。今回、大きなネットワークで人材と症例数を確保することで、子どもの病気や難病など、患者数の少ない病気の先進医療、薬の治験に効果的に取り組めるようになる。多くの実績を積むことで、先進医療を一般病院に普及させることにもつながるとしている。

 医療の倫理審査を共同で行う仕組みづくりや、人事交流を通した人材育成にも取り組む。工学系大学とは、医療機器の開発で連携する。

 合意書締結式には和田有司病院長が出席。続いてキックオフ・シンポジウムがあり、各大学の担当者が研究を報告する。

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