文科相発言で動揺も開学へ「前進」 敦賀市の公立大学設置委 『福井新聞』2012年11月23日付

『福井新聞』2012年11月23日付

文科相発言で動揺も開学へ「前進」 敦賀市の公立大学設置委 

 福井県敦賀市が2014年度開学を目指している市立看護大学について協議する公立大設置委員会が22日、同市役所で開かれた。田中真紀子文科相の発言に端を発した大学設置認可基準見直しを受け、交野好子委員長は「開学に向けて粛々と作業を進める」と、国の動向を見守る考えを示した。

 同市は定員割れが続いた敦賀短大を廃止し、市立看護専門学校を発展する形で、同短大の施設を利用した4年制公立大の設置を目指している。定員は1学年50人で、来年3月に大学設置認可申請を行う予定。敦賀短大はすでに学生募集を停止している。

 委員会で交野委員長は、11月2日に田中文科相が来春開学予定の3大学を不認可とした発言について「崖の上から突き落とされ、足がすくむ思いだった」と振り返った。不認可は撤回され、21日には大学設置認可制度を見直す文科省の検討会議が開かれるなど、状況は変化していることから「開学に向けてひたむきに前進するのみ」と述べた。

 市の穴吹憲男特任部長は、21日の検討会議の傍聴に市職員を派遣したことを明らかにし「審査の厳格化などを求める意見もあったが、方向性は決まっていない。検討会議の議論を注視する」と話した。また「(申請に向けて)文科省と協議を進めており、専門学校との違いや具体的な就職見込み数を求められている。次回委員会で認可申請内容を示す」と説明した。

 委員会ではこのほか、教員採用予定30人のうち、教授13人など24人(助手2人含む)を内定したと報告した。大学設置基準では、助手を除き19人、そのうち教授10人以上を必要としており、市は「基準はクリアしたと考えている」と説明。交野委員長は「(教員確保が進んでおり)何が何でも(審査を)通さないといけない」との決意を示した。

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