地域医療 再生へ5大学連携 岐阜大などモデルプラン『読売新聞』2012年10月22日付

『読売新聞』2012年10月22日付

地域医療 再生へ5大学連携  岐阜大などモデルプラン

 医療系学部のある岐阜県内五つの大学が19日、組織の枠を超え、地域医療の課題解決を目指して岐阜医療系大学地域連携協議会を設立した。

 大学間の連携に向けた地域医療再生のモデルプランを作成し、過疎地で医療や介護に携わる人たちの支援体制づくりなどに役立てる。

 参加したのは、岐阜大、岐阜薬科大、県立看護大、朝日大、岐阜医療科学大。

 少子化による学生の減少や都市部の大学との競合により、地方大学は厳しい状況が続き、地域医療も医師不足によって深刻化している。そのため、岐阜薬科大の勝野真吾学長が大学の改革推進を提唱し、各大学が積極的な参加を表明した。

 岐阜大は付属病院があって先端医療や救急医療に優れ、朝日大は歯科医育成が専門となっており、各大学の医療教育の特色を生かし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、放射線技師などの協力体制を築き、地域医療に必要とされる人材を育成する。

 地域医療再生のモデルプランを1年間かけて作成し、山間地域を含めた県内の医療介護の実態を調査して在宅患者などの支援を考える。このほか、医療の各分野の専門家が連携を図りながら、東日本大震災のような大きな自然災害にも対応できる行動指針の策定も目指す。

 JR岐阜駅前の岐阜大サテライトキャンパスでこの日、5大学の学長による連携協定の締結式が行われた。勝野学長は「過疎地で1人で頑張っている医師を薬剤師や看護師が支援する体制をつくれば医師不足の問題解決につながる。そうした連携を図れるようにしたい」と話す。

 また、岐阜大の森秀樹学長は「地域医療を守るのが医療系大学の役割。一つの大学より複数の大学が協力していけば地域医療の貢献につながる」と話している。

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