北海道大学室蘭臨海実験所、新研究拠点の完成祝う『室蘭日報』2012年9月4日付

『室蘭日報』2012年9月4日付

北海道大学室蘭臨海実験所、新研究拠点の完成祝う

 室蘭市舟見町の旧道立函館水産試験場室蘭支場跡に移転した、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション室蘭臨海実験所(本村泰三所長)の施設見学会が3日、同所で開かれ、関係者が各研究施設を視察した。

 北大理学部付属海藻研究所を前身とする同実験所は昭和8年、同市舟見町に設立。31年に、沿岸動植物採集に最適な母恋南町のチャラツナイ浜に移転。海藻類の培養技術開発などの研究を進めていたが、建物の老朽化などを受け、今年6月に移転した。

 旧道立函館水産試験場室蘭支場を改築・増築した新施設は、実験研究棟(鉄筋コンクリート造り2階建て、512平方メートル)と、学生や研究者の宿泊にも対応した多目的研修棟(鉄筋コンクリート造り2階建て、258平方メートル)がある。実験研究棟には培養室や実習室などが備え付けられている。

 施設見学会には、本堂武夫副学長ら北大関係者、室蘭市内の教育や漁業の関係者ら計20人が出席。本村所長らが、施設内を案内しながら、電子顕微鏡などの機器を用いた研究概要や、培養室での取り組みなどについて解説した。

 本村所長は、室蘭漁業協同組合や道立栽培水産試験場などが集積している新施設のある追直漁港周辺に触れ、「海藻類の実験施設だけでなく、教育機関としてのウエートも高まっている。各関係機関とも一層の連携を深めていきたい」などと意欲をみせた。

 同日夕には中央町の室蘭プリンスホテルで、完成記念式典が開かれた。

(松岡秀宜)

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