女性教員:大学で増加、過去最高21.2% 学内保育所や相談窓口設置、研究サポート充実『毎日新聞』2012年8月28日付夕刊

『毎日新聞』2012年8月28日付夕刊

女性教員:大学で増加、過去最高21.2% 学内保育所や相談窓口設置、研究サポート充実

 大学で女性教員が増え続けている。文部科学省が27日発表した学校基本調査によると、大学教員のうち女性は21・2%(昨年度比0・6ポイント増)と過去最高を更新。女性の視点を研究に生かして生き残りを図ろうとする大学は、学内に保育所や相談窓口を設けるなど積極的に「働きやすい職場」作りの工夫をこらし、女性教員の確保を目指している。【石丸整】

 北海道大は06年11月、出産や育児で研究に十分な時間が取れない女性教員のため、最大で週30時間までアルバイトの研究補助員が実験動物の飼育や事務作業を手伝う仕組みをスタートさせた。現在20人の女性教員が利用しているほか、10年5月には教職員向け保育所を設立した。

 同大女性研究者支援室の有賀早苗教授(分子生物学)は「研究者は論文などのキャリアに空白があると公的研究費獲得で不利になる。保育所も大きな一歩」と喜ぶ。有賀教授自身も大学生の長女と高校生の長男を育てた。

 北大の女性教員は05年度の7%(151人)から11年度末は10・5%(219人)に増えた。20年に20%にする計画で、女性に限定した理系教員の公募も実施している。

 学校基本調査によると、今年5月1日現在の全国の「学長」から「助手」までの教員17万7571人のうち女性は3万7721人(21・2%)。昨年の3万6424人(20・6%)から1297人増えた。

 私立大も女性の確保に力を入れる。早稲田大の今年度の女性教員は20・6%(1274人)で、10年前の15・7%(703人)から大幅に増えた。06年に学内に託児室を設けたほか、07年には主に理系の研究者のための相談窓口を設置した。

 同大の男女共同参画推進室長の川田宏之教授(機械工学専攻)は「ものづくりに女性の視点が欠かせない。女性を支援しないと大学も立ちゆかなくなる」と指摘している。

 ■大学の職名別女性教員数

学長    66人( 8.8%)

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