埼玉の大学進学率22年ぶり低下 12年3月57.0%、就職を意識『日本経済新聞』2012年8月16日付

『日本経済新聞』2012年8月16日付

埼玉の大学進学率22年ぶり低下 12年3月57.0%、就職を意識

 埼玉県教育局が16日発表した2012年3月高校卒業者の進路状況調査によると、大学(短大など含む)進学率は57.0%で前年比で0.1ポイント下がった。低下するのは22年ぶり。就職したり専門学校に進んだりする卒業生が増え、安易に進学するよりも就職を意識して進路を選ぶ傾向が広がり始めている。

 調査によると県内の高校卒業者の総数は5万5086人。前年比1.7%増えたものの、ピークだった20年前の6割程度と大幅に減少した。

 進路状況をみると、大学・短大進学者は57.0%を占めた。専門学校への進学率は前年度比0.5ポイント上昇の23.8%。就職者(学びながら働く者も含む)比率は0.4ポイント上昇の12.7%だった。

 大学進学率が低下するのは1990年以来。景気回復に伴い就職を諦めて進学する高卒者が減ったうえ、「大学を卒業しても就職できないケースが相次ぎ、より将来の就職に生かせる専門学校などを選ぶ例も増えている」(教育政策課)とみられる。

 大学の増加と少子化で大学入学枠が高校卒業者数を上回る「大学全入時代」を迎え、県内の大学も就職支援強化や教育水準向上が求められる。

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