来年度予算の概算要求基準を閣議決定、再生戦略へ最大4兆円ロイター通信配信記事2012年8月17日付

ロイター通信配信記事2012年8月17日付

来年度予算の概算要求基準を閣議決定、再生戦略へ最大4兆円

 政府は17日午前の閣議で、来年度予算20+ 件の概算要求基準を決定した。公共事業などの政策経費を1割削減する一方、「日本再生戦略」で重点分野と位置付けたエネルギー・環境関連など3分野で要求額を積み増す。

重点分野の要求額は最大で4兆円規模へ膨らむ可能性があるが、国債費を除く歳出の大枠は71兆円を上限として今年度当初予算並みを維持する。

要求段階の削減対象は公共事業に加え、警察・消防、防衛などの経費である国家機関費など。エネルギー対策特別会計への繰り入れなど特定財源も1割削減するほか、各省庁の重複施策を排除することなどで、1兆円程度を確保する。

一方で民主党の強い意向を踏まえ、環境・エネルギーなどの「グリーン」分野は予算削減額の4倍、医療・介護などの「ライフ」と農林漁業は同2倍の要求額を各省から受け付け、予算の大幅な組み替えを狙う。東日本大震災の復興経費は別枠扱いで、上限は設けない。

社会保障費は高齢化に伴う自然増8000億円を含めた要求を認めるが、見直しを求める声が高まっている生活保護費などで最大限の効率化を図るとしている。予算要求の締め切りは9月7日。

<財務相「成長戦略の実となる要望を」>

安住淳財務相は閣議後の会見で、今回の要求基準は3分野への重点配分を通じて「めりはりをしっかりつけ、事実上の大胆な予算の組み替えをやる」ことが狙いだと説明。「成長戦略の種になり、実となり花となるようなものを(各府省が)提案してくることを望み、枠組みを作った。少子高齢化の中で成長を遂げるにはどうしたらいいか、各府省は大きな課題に向き合ってほしい」と要望した。

同時に、この日の閣議懇談会で各閣僚に対し「あれもこれもそれもという予算の付け方はあってはならないことだし、恥ずかしいこと。自らが各府省の大臣が査定大臣となって、選別を厳しくしながら要求してほしい」と要請したことを明らかにした。

(ロイターニュース 基太村真司;編集 田中志保)

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