神戸学院大学長 司法試験の課題訴え『神戸新聞』2012年7月5日付 

『神戸新聞』2012年7月5日付

神戸学院大学長 司法試験の課題訴え 

 2013年度から、法科大学院の学生募集を停止することを決めた神戸学院大(神戸市西区)。岡田豊基学長が4日、神戸市内で会見し、「受験生に理解してもらえる環境をつくれず、志願者を増やせなかった」と悔しさをにじませた。全国的にも法科大学院の募集停止が相次いでおり、関係者は「司法試験の合格者を増やすなど現行制度を改めないと、他大学でも起こり得る」と危機感を募らせている。(本田純一)

 同大学法科大学院はここ数年、入学者数が低迷し、12年度は2人と定員充足率は全国最低の6%に。志願者数も設立された04年度は846人だったが、09年度には70人、12年度は9人だった。

 大学を運営する学校法人「神戸学院」は3日の理事会で、募集停止を決定。早ければ在学生が修了する14年度末にも廃止になる見通し。

 岡田学長は「苦渋の決断。全国的にも司法試験の合格者数が少なく、志願者数の改善は難しいと判断した」と説明。現行の法科大学院制度については「司法試験の合格者が増えなかったのは残念。法曹資格者の就職先も拡大してほしかった」と漏らした。

 募集停止は全国で4校目、県内では姫路独協大に続き2校目となる。

 法科大学院は全国的に入学者が低迷。12年度は、学生を募集した全73校のうち63校(86%)で定員割れした。充足率が100%以上だったのは、神戸大など10校。私立大は低迷する傾向にあり、県内では、関西学院大が46%、甲南大が48%といずれも5割を切った。

 県内のある法科大学院担当者は「一私学の失敗ではなく、国策の失敗。司法試験の質を維持し、合格者数は制限せず、企業の需要を掘り起こすなどの対策が必要」と話した。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com