低所得世帯向け、学ぶ意欲支える「土曜塾」開講…松山『読売新聞』2012年6月27日付

『読売新聞』2012年6月27日付

低所得世帯向け、学ぶ意欲支える「土曜塾」開講…松山

サポーターリーダーに任命される山高さん(左)(松山市築山町の市青少年センターで)

 家庭の経済事情で塾に行けない中学生に、中学の元校長と愛媛大生が無料で学習を指導する松山市主催の「土曜塾」が30日から始まる。希望した1~3年の46人が通う。

 親の所得格差が教育格差につながり、結果として貧困が子へと受け継がれる「負の連鎖」が指摘される中、学ぶ意欲のある生徒をサポートしようと初め て企画。定員30人とし、住民税の所得割非課税世帯を条件に募集したところ、46人が希望。受け入れ枠に余裕があるとして、全員の受講を認めることにし た。

 塾は毎週土曜午前と午後の各3時間、同市築山町の市青少年センターで実施。自習形式で、生徒3人に1人のサポーター(指導役)が付く。期間は原則1年だが、現在の1、2年は卒業まで継続可能という。

 今月23日には、開講式が同センターで開かれ、野志克仁市長ら関係者約50人が出席。サポーターリーダー(塾長)に、市立道後中学元校長の山高吉仁さん(65)が任命された。

 山高さんはあいさつで「私の家は貧しい農家で、教科書も学生服もすべて兄のお下がりだった。塾に行きたくても行けない子どもたちの気持ちはよくわ かる」と振り返り、「40年の経験と大学生の情熱で、46人が将来『あそこで学んで良かった』と思える塾にしたい」と述べた。2年の男子生徒(14)は 「数学が苦手なので、頑張りたい」と話していた。

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