飛び入学、浸透鈍く 先駆け千葉大は人材輩出 大学の「体力不足」指摘も『千葉日報』2012年6月18日付

『千葉日報』2012年6月18日付

飛び入学、浸透鈍く 先駆け千葉大は人材輩出 大学の「体力不足」指摘も

 才能ある生徒の育成などを目的にスタートした「飛び入学」制度。全国に先駆け導入、全国最多の入学者数を誇る千葉大学は各界に多くの人材を輩出している。だが、裾野の広がりは鈍く県内他大学に追随の動きはほとんどない。志を抱く若者たちからは「能力を試す場所が少ない」とため息が漏れる一方、大学側の“体力不足”が足かせになっているのではとの指摘もある。

 鳴り物入りでスタートした飛び入学制度だが、高校の卒業資格を持てないことや手続きが複雑なことが課題。文部科学省は今月上旬、早期卒業制度の創設を検討、学校教育法の改正を目指している。

 同省によると、現在飛び入学制度を導入しているのは全国6大学で、本年度までに計101人が入学。最も多いのが千葉大学の68人で、2番目の名城大学(26人、名古屋市)に大きく水をあけている。

 すでに51人の卒業生を社会に送り出した千葉大学。2000年、私立開成高校(東京都)から同大学に入学、マサチューセッツ工科大学大学院で博士号を取得し、現在は京都大学大学院工学研究科の博士研究員として材料工学を研究する日沼洋陽さん(30)は「制度が広まっていないことが残念」と後進に門戸が拡大されない点を惜しむ。

 生き残り競争が激化する大学にあって、導入のメリットの前にコスト面の課題もありそうだ。

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