大学分科会(第104回) 議事録 平成24年4月20日

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/gijiroku/1321839.htm

大学分科会(第104回) 議事録

1.日時
平成24年4月20日(金曜日) 10時~12時

2.場所
文部科学省東館3F1特別会議室

3.議題
 1.中長期的な大学教育の在り方について
 2.その他

4.出席者
委員
(分科会長)安西祐一郎分科会長
(委員)金子元久,北城恪太郎,長尾ひろみ,菱沼典子,宮崎緑,村松泰子の各委員
(臨時委員)有信睦弘,樫谷隆夫,勝悦子,河田悌一,川嶋太津夫,北山禎介,佐々木雄太,佐藤東洋士,島田尚信,清家篤,谷口功,中西友子,中野正明,林勇二郎,深尾京司,宮田裕子,山田信博,吉田文の各臨時委員
(専門委員)黒田壽二,小林雅之,白井克彦の各専門委員   

文部科学省
板東高等教育局長,土屋科学技術・学術政策局長,清木文教施設企画部長,常盤高等教育局審議官,髙橋大臣官房会計課長,義本高等教育企画課長,勝野私学行政課長,森田私学助成課長,牛尾私学部参事官,池田大学振興課長,藤原教職員課長,合田高等教育政策室長,小谷教育制度改革室長,西山学校法人経営支援指導室長,松坂私学経営支援企画室長,齋藤高等教育局視学官,森友教育改革推進室長,鍋島教員養成企画室長,杉江高等教育政策室室長補佐,小山田高等教育政策室専門官 他

5.議事録

(1)大学改革タスクフォースの検討状況について,文部科学省から資料2の説明があった。

 【義本高等教育企画課長】  お手元の資料2の大学改革タスクフォースのこれまでの検討状況と,それから机上に配付させていただいております資料1,2,それから新聞記事等を参照させていただきながら御説明させていただきたいと思います。

 まず,大学改革タスクフォースですが,本分科会でも何度か御報告させていただきましたが,昨年11月21日の政策提言仕分けをきっかけとして,大学改革全体像について省内で議論し,方向性について整理していくということで,副大臣のもとで3月まで7回,これまで開催させていただいたところです。テーマについては,この資料の2枚目に政策課題例というのを挙げておりますが,こういうテーマについてこれまで議論を重ねて,改革の方向性やおおむねのスケジュールなどを含めました全体像を改革のプランとしてまとめるべく,今,整理を進めているところです。

 ここの政策課題例にあるようなことをテーマにして,全体として四つの軸を中心に整理をしていきたいと思っております。

 一つ目は分科会,それから大学教育部会でも御議論いただいている,学生がしっかり学び,その能力を考える力を培っていくという,いわゆる大学教育に関わるものでして,まさしく分科会の報告の内容と軌を一にするものですが,その中でもこの政策課題にあるような質の転換の問題。それから高校教育と大学教育を通じた学力保障をどうしていくのか,その接続の問題。それから大学における教育水準の保証をどうしていくのかというテーマで,一つの軸として整理をさせていただきたいと思っております。

 二つ目が大学の機能強化あるいは機能別分化の促進のための大学づくりということで,これもこの政策課題の3ポツにあるものに関連いたしますが,大学教育の質的な転換を図っていく,その基盤となるようなシステムづくりということで,情報公表とか,それから評価制度の見直しの問題,あるいは客観的な指標の開発をすることによって,その大学の姿を明らかにしていく。あるいは大学間の連携,あるいはグローバル人材の育成の問題,それから研究力の強化等々をテーマにして,具体的な改革の方向性を整理させていきたいと思っております。

 それから三つ目が,地域と大学の問題についてもこのタスクフォースで議論しておりますが,地域における連携の強化ですとか生涯学習の機能,あるいは地域課題の解決への貢献というような,地域のまさしく核となるような大学づくりということについてのテーマを考えていきたいと思っております。

 それから四つ目は,今申し上げた3点を支えるものとして,改革を推進するためのガバナンスのあり方,あるいは財政基盤の自立ということで整理をさせていただき,議論をしております。

 必要な事項については,さらに文部科学省内で,あるいは場合によっては中教審にもお諮りさせていただいて,その整理をしていきたいと思っておりますし,夏までには概算要求に盛り込む事項等々について整理をさせていただきますし,また計画的な推進が必要な事項については,教育振興基本計画にも反映させていくべく用意をしたいと思っております。

 そういう形でおおむね議論をしておりますが,その話は,実は国家戦略会議の議論とも関連いたします。資料2の4番目にそこを書かせていただいておりますが,4月9日に国家戦略会議が開催され,そこで民間議員の方々から大学の統廃合を含む大学改革のあり方の問題とか,国立大学の運営費交付金とか,あるいは私学助成のメリハリある配分等を含めた改革の提案をいただいております。

 それでは,そもそもこの国家戦略会議がどういう位置づけにあるかということですが,日本再生戦略というものを内閣を中心にまとめようという動きがありまして,その中で人材の育成が一つの重要なテーマになっており,4月9日に平野大臣が臨時委員として呼ばれ,教育の改革あるいは人材育成の全体像について説明されました。それが机上配付の資料2「人材のイノベーションによる日本再生の実現に向けて」というものです。時間の関係上,詳しい中身は省略させていただきますが,3ページをめくっていただきまして,初中教育から,グローバル人材の問題,大学自身の改革の問題,教育の機会均等,キャリア教育・職業教育の問題の五つの柱に整理しておりますが,特に大学改革については,7ページをお開きいただきますと,先ほど口頭で申し上げましたとおり,改革の方向性については,先ほどタスクフォースでの議論と軌を一にする形で整理し,まとめていこうという内容になっております。

 新聞にも出た民間議員の御提案については,机上配付の資料1ですが,特にその資料の3ページ目に教育のシステムの抜本改革ということで,ここにあるような次世代を見据えた教育システムの抜本改革ということで,六三三制の学制のあり方も含めた教育体系の見直しという話とか,2番目として大学の統廃合等の促進を含む高等教育の抜本改革ということで,ここに4点ほど細かい点が並んでおりますが,国立大学の運営費交付金のメリハリある配分とか,あるいは私学助成についても同様なことについての検討とか,それからリーダー人材の育成という観点からの授業料減免等の強化,それから国立大学の運営費交付金,私学助成,あるいはすぐれた取組へのファンディングを含めた,統廃合も含めた大学改革の促進,それに関連して高等専門学校の増設等々も触れられております。

 特に,新聞でも統廃合の問題とか,メリハリある配分ということについての記事が出ておりましたが,平野大臣からその会議においては,統廃合によって地域から大学をなくすという発想ではなくて,大学の連携を強化しながら教育研究力を高め,人材の質を高めること自身がまず必要だということで,その結果として取組が不十分な大学が淘汰されることはあっても,統廃合を目的として政策を推進すること自身は教育水準を高めることにはつながらないということについて,明確に発言をさせていただいておりますが,総じてこの議論においては財政的な観点からの議論が中心で,なかなか人材の機能強化等については深まらなかったという状況でした。

 いずれにせよ,5月に国家戦略会議が開催され,大臣から改めて,大学の問題も含めて,教育改革の問題全体像についての方針を御報告する予定になっております。

(略)

お問い合わせ先
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com