長大病院が離島で専門医育成『長崎新聞』2012年6月8日付

『長崎新聞』2012年6月8日付

長大病院が離島で専門医育成

 長崎大学病院は本年度から、若い研修医と指導役の医師を2人一組で離島やへき地の病院に派遣する事業を始めた。より現場に即した研修ができる一方、指導医が診療に加わり地域医療を支援する。優秀な専門医の育成が期待される。

 国の補助金で創設した「県地域医療再生臨時特例基金」のうち8220万円を活用し、来年度まで2年間続ける予定。今年夏からは地域の病院側から医師のリフレッシュ研修を受け入れることも計画している。

 研修医と指導医師の受け入れ先は▽長崎記念病院(長崎市)▽北松中央病院(佐世保市)▽県島原病院(島原市)▽県上五島病院(新上五島町)-の計4カ所。

 現在、大学病院の研修医は50人程度。1病院につき1人(島原病院は2人)が指導医とペアで週1回、ヘリコプターや車で各病院に出向き、大学病院では経験できないプライマリーケア(初期診療)の技術や知識を学ぶ。指導医は研修状況のチェックだけでなく、通常の外来診療も行う。

 指導医として上五島病院に通う長崎大学病院神経内科の枡田智子さん(33)は「ヘリでの移動は大変だが、地域での経験は研修医はもちろん、私にも良い刺激となり有意義」と話す。

 大学病院の濱田久之医療教育開発センター長は「専門医を育てるとともに、人手が不足している地域の病院を支援し、ウィンウィン(相互利益)になる」としている。

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