声明「国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に対する運営費削減と給与減額強要に抗議する」 (2012/5/15) 全大教中央執行委員会  

(2012/5/15) 全大教中央執行委員会  

声明「国立大学法人・大学共同利用機関法人・独立行政法人高専機構に対する運営費削減と給与減額強要に抗議する」

 2004年、国は多くの国民・大学人の反対を押し切って国立大学・大学共同利用機関・高等専門学校(以下、国立大学等という)を法人化した。

 全大教は多くの国民とともに、法人化に反対し、国立大学等に対し国が責任を持つよう求めてきた。また、法人化後はその制度のもつ多くの問題点を指摘し、制度の見直しを求めてきた。

 政府は、5月11日の閣僚懇談会において、国立大学法人・独立行政法人に対し、給与削減に向けた労使交渉を急ぐよう要請する方針を正式に確認するとともに、運営費交付金を給与引き下げに見合う分だけ減らす方針も申し合わせた、と報じられている(日経新聞)。

 国立大学等の法人制度の根幹である中期目標の財政的基盤である運営費交付金の減額は、文部科学大臣が決定した中期目標の実現を困難とするものであり、法人制度をも自ら踏みにじる暴挙をおかそうとするものだ。国立大学法人化に際して参議院附帯決議にも明記された、憲法第23条で保障される学問の自由、大学自治の侵害でもある。

 給与削減に向け労使交渉を要請することは、労使自治への介入であり、非公務員とされた国立大学等の教職員のもつ、憲法第28条で保障された団体交渉権を実質的に侵害する行為である。

 いずれも、政府が憲法、法令をおかそうとする行為であり、法治国家として考えられない暴挙である。

 私たちは、こうした施策を強行しようとする政府に強く抗議するとともに、問題を明らかにし、今後、こうした施策が実施されないための運動をさまざまな場面で行なっていく。

 今回の政府の方針は、「震災復興」に名を借りつつ、「身を切る姿勢」を見せるためのパフォーマンスに、国民の大切な財産である国立大学等を巻き込むものであり、真の復興に役立つものではない。

 私たちは、2011年3月11日の震災発生以降、高等教育機関としての社会的責任を自覚し、専門的知識、技術を活用し、復興に力を尽くしてきた。

 私たちは今後も、被災地に心をいたし、復興に貢献していくとともに、全国民のための公教育を守り発展させていくことをここに明らかにする。

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