後期研修先に大学病院選ぶ医師5割で横ばい- 医学部長病院長会議「不十分な教育懸念」 キャリアブレインニュース配信記事2012年4月20日付

キャリアブレインニュース配信記事2012年4月20日付

後期研修先に大学病院選ぶ医師5割で横ばい- 医学部長病院長会議「不十分な教育懸念」

 全国医学部長病院長会議は19日、2009年の医師国家試験合格者のうち、初期臨床研修を修了し、11年度に大学病院の後期臨床研修に進んだ割合(帰学率)が52.9%で、10年度の51.7%からほぼ横ばいだったとの調査結果を明らかにした。現行の臨床研修制度を導入する前は、7割を超える医師が大学に残留していたが、導入後の帰学率は5割台で低迷しており、同会議の森山寛会長(東京慈恵会医科大附属病院長)らは、十分な教育を受けていない医師の増加を懸念している。

 同会議の「地域医療に関する専門委員会」は、77大学を対象に帰学率を調査した。

 森山会長は、帰学率の低迷を問題視し、「(後期研修先が)小さい病院だと、どうしてもスキルアップしていかないのではないかと心配している。大学病院に長くいろとは言わないが、どこかで1回通った方が、大人数でいろんな科のことを学べ、視野が広がる」述べた。

 吉村博邦顧問(北里大名誉教授)は、給与だけで研修先を選ぶ医師がいると指摘。「しっかりと後期研修できる環境ですることが重要。大学だけがよいとは思わないが、このままでは、きちっと研修を受けていない医師が増えてくる可能性がある。本当はそれを把握して、ちゃんと後期研修を受けさせるシステムをつくることが大事」と述べた。

 森山会長は、低迷する帰学率を上げる方策として、大学病院の充実した教育面の情報を各病院のホームページなどを通じて公表することや、給与の改善を挙げた。

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