基礎研究医養成で補助金、8月に交付- 文科省委員会、公募要領案を大筋了承 キャリアブレインニュース配信記事2012年4月19日付

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基礎研究医養成で補助金、8月に交付- 文科省委員会、公募要領案を大筋了承

 基礎研究医の養成や、診療参加型の臨床実習の充実などに取り組む大学を補助する文部科学省の新規事業について、同省の「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成推進委員会」は18日、公募要領案を大筋で了承した。同省では、月内にも公募要領を公表し、書類審査を経て、8月に補助金を交付する方針だ。

 同新規事業の2012年度予算計上額は3.6億円で、事業期間は5年を予定している。補助対象は、▽医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成▽グローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨床実習の充実▽医学・歯学教育の認証制度などの実施―に取り組む大学。

 公募要領案によると、基礎研究医の養成では、10件程度を選定し、最高で年2000万円を交付する。取り組み例として、▽学部教育の段階で研究室に配属したり、大学院の講義を履修させたりして、基礎研究への動機付けを行う▽臨床研修が始まるのと同時に、大学院に入学させ、研究に空白期間をつくらない―などを挙げている。

 この事業の背景には、解剖学や免疫学、薬理学などの基礎医学が医学・医療の基盤となるにもかかわらず、基礎医学研究に進む医師が減少していることがある。このままの状況が続けば、医学教育や研究の質が低下すると懸念されている。

 診療参加型臨床実習の充実では、10件程度を選び、最高で年1060万円を交付する。取り組みの例としては、臨床実習のカリキュラムの改革や運営などの役割を担う「臨床実習コーディネーター」の配置などを紹介している。

 背景には、日本の臨床実習は諸外国に比べ、実習期間が短い上に、見学型にとどまるものが多いと指摘されていることがある。米国カリフォルニア州などでは、72週の診療参加型臨床実習が医師免許取得の要件とされているが、日本では平均48週にとどまっているという。

 教育認証制度などの実施では、医学、歯学でそれぞれ1件ずつ選び、医科大に最高で年3600万円、歯科大に年1800万円を交付する。複数の大学が共同で取り組むプログラムについて、幹事となる大学が代表して申請することもできる。

 医学教育に特化した分野別評価制度は、欧米や韓国、豪州などでは既に導入されているが、日本では導入されていない。

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