茨城大 生態系の調査強化 放射能研究プロジェクト『東京新聞』茨城版2012年4月13日付

『東京新聞』茨城版2012年4月13日付

茨城大 生態系の調査強化 放射能研究プロジェクト 

 茨城大(池田幸雄学長)は二〇一一年度から実施している東日本大震災と福島第一原発事故による放射能被害に関する調査・研究プロジェクトについて、一二年度は調査内容を強化し、継続すると発表した。森林や川などの生態系で放射性物質がどのように移動していくかを調べるほか、復興支援の研究などを重点的に取り組む。 (小沢慧一)

 昨年秋に導入した放射性物質を調べるゲルマニウム半導体検出器を、六月にもう一台(約二千二百万円)投入し、森林や川の放射性物質の詳細な実態把握などを行う。学長特別補佐の横沢正芳教授(物理学)は、森林からは部分的にかなり高い放射性物質が検出されているとした上で、「針葉樹林は全ての葉が生え替わるのに五年ほどかかる。その間は毎年落葉の時期は空間線量の数値が上がるだろう。その放射性物質はやがて川に流れ、霞ケ浦などの湖底に堆積する」と警告する。大学の責務として「生態系における放射性物質の調査はやっていかなくてはいけない」と話した。

 同大では一一年度から震災・放射性物質関連の研究をするチームが三十二設置され、三十六プロジェクトを実施している。これまでの研究成果は五月末ごろまでに資料にまとめ、大学ホームページなどで一般公開される。

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