香川大、県内3市にサテライトオフィス『日本経済新聞』四国版2012年4月14日付

『日本経済新聞』四国版2012年4月14日付

香川大、県内3市にサテライトオフィス

 香川大学は2012年度中に坂出市、東かがわ市、三豊市の県内3市にサテライトオフィスを開設する。「医学」や「農学」「経済」などの項目ごとに公開講座を定期的に開くほか、地域住民の生涯学習拠点としての活用も予定する。少子化などで大学経営の環境が厳しさを増す中、地域密着を加速させて認知度向上につなげる。

 19日に香川大学の長尾省吾学長と3市の市長が高松市でサテライトオフィスの運営に関する覚書を交わす。

 新拠点では香川大の教授など職員や学生による公開講座を予定している。東かがわ市では医学や地域マネジメント、坂出市では経済や農学関連、三豊市では教育と工学関連の内容で定期的に開催する。具体的な立地や講座の頻度などはまだ固まっていないが、市と連携することで年度内のできるだけ早い時期の開設を目指す。

 香川大の外部拠点としてはキャンパスがある高松市の中心部の商店街内に「ミッドプラザ」を開いている。ただし活用の仕方は主に学生サークルが主催する展示会やコンサート、縁日などの開催。このほか大阪市には入試広報に特化した外部拠点を持っている。

 住民向けの本格的な学習機能を持つ拠点としては今回が初めて。「サテライトオフィス開設を機に地域の課題への対応や幅広い協力・連携につなげていきたい」としている。

 香川大はサテライトオフィスとは別に3市と包括連携・協力に関する協定も結ぶ。「教育・研究の推進」や「産業・文化の活性化」などが連携対象。サテライトオフィスの拠点機能も組み合わせて産官学連携の推進にもつなげる狙いがある。

 3市としても、大学との連携で市民向けの文教関連施策を拡充できるほか、地元の特産品や産業活性化につながる糸口を見つけ出すきっかけになる可能性がある。交流人口の増加も期待する。

 サテライトオフィスは愛媛大学は06年に愛媛県内の四国中央、今治、宇和島の3市と連携協定を結んで開設した。産学官連携の拠点としている。徳島大学も大阪市や東京都港区に拠点を設けて企業との連携の窓口として活用している。

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