学校法人の95%が財務情報公開 ホームページで『日本経済新聞』2012年4月3日付

『日本経済新聞』2012年4月3日付

学校法人の95%が財務情報公開 ホームページで

 私立大学などを運営する学校法人のうち、収支計算書や貸借対照表などの財務情報をホームページ(HP)上で公開しているのは昨年10月時 点で全体の95.3%となり、前年に比べて8.1ポイント増えたことが文部科学省の調査で分かった。図表を使って分かりやすく説明をしているのは5割にと どまり、3%に当たる20法人は一般向けに一切公開していないなど、課題はなお残っている。

 調査は大学、短大、高等専門学校を設置する全ての666法人を対象に行った。

 HPや広報誌、学内掲示板などのいずれかで公開しているのは646法人で全体の97.0%に達した。ただ公開する内容や方法にはばらつきがある。

 HPで公開する内容のうち最も多かったのは貸借対照表で全体の95.2%。収支計算書も94.6%に達した。一方、財産目録や監査報告書は約1割が未公開だった。

 一般向けに財務情報を分かりやすく説明する資料を作成したのは553法人で全体の83.0%にとどまった。グラフや図表を活用した資料の掲 載は53.9%、年ごとの数値の変化が分かるようにしていたのは72.5%、新校舎建設などに充てる学校会計独自の「基本金」など企業会計との違いの説明 は29%だった。HPのトップページから財務情報の項目をすぐ見つけられるようにしていたのは83.0%だった。

 財務情報を一切公開していない20法人は学生募集を停止していたり、学校開設から間もない大学が目立った。取材に対し「公開する項目の検討に時間がかかったが、5月にはHPに掲載したい」と答える法人もあった。

 私立学校法は在学生ら「利害関係者」が求めれば財務情報を公開するよう定めているが、一般向けの公開義務はない。ただ、全入時代を迎えて私立大の経営環境は厳しさを増していることから、文科省は積極的に公開するよう指導している。

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