『朝日新聞』2012年3月30日付
『「教員賞与ダウンは不合理」 立命館に2億円支払い命令
学校法人立命館(京都市中京区)がボーナスの額を引き下げたのは不当だとして、立命館大学などの教職員ら205人が総額3億1200万円の支払いを立命館側に求めた訴訟で、京都地裁(大島真一裁判長)は29日、「引き下げは不合理だ」として、約2億2900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
立命館は1991年度から2004年度にかけて毎年、月給6.1カ月と10万円のボーナスを支払った。しかし、05年度から経営悪化が見込まれるとして1カ月分をカットしたため、裁判ではこの引き下げの当否が争われた。
判決は、(1)学校法人側と教職員組合の話し合いの経緯から少なくとも月給6カ月分を支給する労働契約があった(2)学生増で学費収入が安定し引き下げの必要はない――などと認定し、6カ月分を下回る支給による教職員の不利益は極めて大きいと結論づけた。
判決後の記者会見で原告団長の木田融男(あきお)・立命館大教授は「学園は控訴せずに、労使関係の正常化を進めるべきだ」と述べた。立命館は「主張が受け入れられず極めて遺憾だ」とのコメントを発表した。(村上晃一)