足並みに乱れ 「教育改革うやむや…」 MSN産経ニュース配信記事2012年3月29日付

MSN産経ニュース配信記事2012年3月29日付

足並みに乱れ 「教育改革うやむや…」

 「東大が動けば皆動く」とされる教育界で、東大が提唱した「秋入学」は、大学のみならず政府や経済界も巻き込み、今年に入り一気に論議が加速した。だが、ここに来て各大学の対応に温度差も見えてきている。

 東大が今年1月に発表した中間まとめでは、有力国立と私立12大学で秋入学移行への協議を進めることも明らかにした。「12大学そろって秋入学へ移行すれば相当なインパクト」(私大関係者)だったが、12大学の中からは早くも慎重論が出始めている。

 今月7日に開かれた国立大学協会総会では、平野俊夫大阪大総長が「秋入学が独り歩きしている。教育の中身の改革議論がうやむやになってはならない」とくぎを刺し、京大の松本紘総長も慎重な立場だ。

 独自の構想を打ち上げる大学もある。一橋大と東工大では入学時期は春のままで、本格的な授業開始を秋にする案を提唱。早稲田大も4学期制導入を打ち出し、東大の構想にもろ手を挙げて賛成というわけではない。

 さらに、東大内も一枚岩ではない。教養学部を抱える大学院総合文化研究科の入学時期検討特別委員会は慎重な対応を求める意見書をまとめた。387件の学内意見でも反対論は根強かった。清水孝雄副学長は「建設的な批判が多いと思っている。秋入学だけで何かが変わるというわけでないというのは全くその通り」と語るなど実現への課題は山積している。

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