災害時緊急情報、携帯に 信大松本キャンパス『中日新聞』長野版2012年3月30日付

『中日新聞』長野版2012年3月30日付

災害時緊急情報、携帯に 信大松本キャンパス 

 信州大松本キャンパス(松本市)の学生や教職員向けに、災害時に必要な緊急情報を携帯電話に流す「エリアワンセグ放送」の実験が29日、始まった。大学では全国初の試みで、簡単な映像と文字情報で、大地震でも途絶しない緊急連絡手段の確保を目指す。

 放送電波の未使用周波帯域の有効活用を図る総務省「ホワイトスペース特区」の実験局として、信州大とケーブルテレビのテレビ松本(松本市)が共同申請し、昨年春に開局が許可された。4月1日の放送開始を前に、学内の電波送出設備が整い、関係者が試験放送の点灯式で門出を祝った。

 画面上部に映像、下部に文字のデータを流し、災害時には現在の被災状況や避難所、物資などの情報を伝える。受信できるのは松本キャンパスを中心におおむね半径1キロ以内で、付属病院の患者やキャンパスへの避難者らの視聴も想定した内容にする。

 浸透を図るため、平時には休講情報や学生食堂のメニューの情報などを放送。親しみやすい健康関連などの番組も制作する。実験期間は1年間だが、その間に本放送の許可を申請し、継続的な放送体制の整備に努める。

 受信範囲内でワンセグ視聴機能のある携帯電話を設定すれば学生以外でも視聴は可能だ。山沢清人学長は「キャンパスに来れば誰でも安心して情報が得られるよう、内容の充実を図りたい」と話していた。 

 (安藤孝憲)

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