『朝日新聞』2012年3月29日付
東京芸大、教員がオペラ出やすく 新国立劇場と協定
東京芸術大でオペラを教える教員が、新国立劇場で制作するオペラの公演に柔軟に出られるようになる仕組みができた。大学と劇場が協定を結び、23日に発表した。
同劇場によると、日本のトップレベルのオペラ歌手は、同大をはじめとした大学教員になることが多い。だが、同劇場のオペラは、事前の練習に1カ月以上拘束されるのが普通で、大学の授業を休んで参加してもらうことが難しかったという。
今回の協定で、大学側は教員がオペラに出られる機会を増やす一方、欠席期間中は別の非常勤職員らを充てて授業をする。劇場側は、学生がオペラの舞台裏を見たり、教員のリハーサルの様子を見たりできるようにする。
協定締結の会見で、同劇場の福地茂雄理事長は「国立劇場として、世界に比肩すべきものを自主制作で世に問うのがわれわれのミッション。(協定で)充実したオペラを提供できるようになる」と話した。今後、他大学との協定も進めていく方針という。(木村尚貴)