産学連携で医療機器開発へ 和歌山県の戦略会議『紀伊民報』2012年3月20日付

『紀伊民報』2012年3月20日付

産学連携で医療機器開発へ 和歌山県の戦略会議 

 和歌山県内の企業代表者や学識経験者らで構成する県産業技術戦略会議(議長=仁坂吉伸知事)は19日、和歌山市内で会合を開き、県立医科大学など県内の大学と県内企業が連携して医療機器の開発に取り組むプロジェクトを推進することにした。

 戦略会議は2009年、県新技術創出推進条例に基づき設置。新産業の振興や既存産業の付加価値化に取り組むため県産業技術基本計画を10年に策定した。計画はロボットなどの加工組み立て技術、化学、医療福祉などの4分野を戦略分野と位置付け、国や県の支援事業を活用しながら研究開発の推進や知的財産の活用に取り組み、5年間で製品出荷額5%増を目標にしている。

 この日の会議では、委員を務める県立医科大学の板倉徹学長が県内企業と県立医科大学、和歌山大学などが連携して医療機器の開発に取り組むプロジェクトを提案した。

 プロジェクトは、県立医科大学による医療現場の需要を捉えた提案や医学的な助言と、和歌山大学や近畿大学生物理工学部の技術研究分野、県内企業の技術力を組み合わせることで、世界市場に通用する医療機器開発を目指すとしている。

 この提案に対し、和歌山大学学長の山本健慈委員をはじめ大学や企業関係の委員は、大学間の連携を強化できる点や企業と大学が互いの知識を生かせる点などから賛成。プロジェクトを進めるため話し合いの場を設けることで合意した。

 会議では、現在の基本計画で位置付けている4分野について、5分野に細分化し内容を見直すことを確認。梅やミカン、柿といった県内の有力農産物についても、機能性に着目した研究開発の在り方や観光分野への活用について話し合った。

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