気仙沼市、東京海洋大と協定 水産業再生へ連携『河北新報』2012年3月21日付

『河北新報』2012年3月21日付

気仙沼市、東京海洋大と協定 水産業再生へ連携 

 宮城県気仙沼市と東京海洋大は20日、東日本大震災からの復興に取り組む連携協定を結んだ。同大は市内に開設した「三陸サテライト」を拠点に海洋関連の人材育成や商品開発を先導。水産のまち・気仙沼の再生に協力する。

 調印式は気仙沼市の魚市場会議室であり、菅原茂市長と竹内俊郎副学長が協定書を取り交わした。竹内副学長は「サテライトが気仙沼の産業のいち早い復興に役に立つようにしたい」と話した。

 三陸サテライトは魚市場近くのビルの3階に開設した。約35平方メートルの部屋に非常勤職員1人を配置する。市との連携事業の相談窓口機能を担う予定で、本格的な事業開始は4月中旬ごろになる。

 事業は主に4項目あり、「人材育成」は小中学生向けの持続的海洋教育や船員養成などを行う。「産業振興」はメカジキを活用した新商品を開発する。「教育研究」は震災後の気仙沼湾の水質や海底調査などを実施。スローフードを推進する「まちづくり」事業にも取り組む。

 菅原市長は式後の記者会見で、「街や工場をつくり直しただけでは将来は約束されない。他地区と差別化し、付加価値の高い製品開発を行うため、海洋大の知恵を活用させていただきたい」と語った。

 同大は国内唯一の海洋系大学としての専門的知見を生かし、被災地の復興支援に取り組もうと気仙沼市との連携を決めた。

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