被災地、国立大の人気維持…福島の私大は苦境に『読売新聞』2013年3月13日付

『読売新聞』2013年3月13日付

被災地、国立大の人気維持…福島の私大は苦境に

 大学入試シーズンも終盤。東日本大震災で被災した受験生たちは、全国の大学が用意した学費支援を積極的に利用して進路を決めている。

 ただ、被災3県の国立大は人気を維持したが、福島県の私立大は原発事故を懸念した受験生の減少が著しく、苦境に立っている。

 「避難所で子供たちの面倒を見て、『やっぱり小学校の先生になりたい』と強く思うようになりました」

 宮城県立石巻高校3年女子(18)はそう語る。石巻市内の自宅は津波で全壊した。両親からは「心配せず、大学に進学しなさい」と励まされたが、やはり負担はかけたくない。そんな中、東北福祉大(仙台市)が自宅全壊の受験生は入学金と初年度の授業料を全額免除すると知り、目の前が開けた気がした。昨年12月、推薦入試に合格。「支援に後押しされた。大学でいろんなことを学びたい」と新生活に胸を躍らせる。

 大手予備校・河合塾の調査では、全国203大学が、被災した受験生向けに学費減免措置を用意。河合塾は「被災地の高校では、支援をきっかけに推薦入試などで早めに合格をもらおうとする傾向も出た」とする。

 被災地の大学への志願動向は変動した。東北大の2次試験志願者は、九州地方など西日本からの受験生が減り前年比5%減となったが、宮城県内の志願者は50人増の1152人と人気を集めた。福島大は全受験生の受験料を免除し、2次試験出願者が22%も増加しており、国立大の人気は堅調だ。

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