声明「国家公務員賃金引き下げ法の成立に抗議するとともに、国立大学・国立高専を守るために、運営費交付金を保障し賃金切り下げを強要しないことを求める」(2012/2/29) 全大教中央執行委員会 

(2012/2/29) 全大教中央執行委員会 

声明「国家公務員賃金引き下げ法の成立に抗議するとともに、国立大学・国立高専を守るために、運営費交付金を保障し賃金切り下げを強要しないことを求める」 

2月29日、国会において、国家公務員の給与を、2011年人勧分を含め5%~10%、2年間にわたり引き下げる法案が成立しました。私たちは、この法案の成立に強く抗議します。 この法律に基づき国家公務員給与が引き下げられることにあらためて反対の意思を表明するとともに、国公立大学・大学共同利用機関・国立高専の運営費交付金額やそこに働く教職員の待遇に影響を与えることを危惧し、そうしたことのないよう求めます。

私たちは、昨年6月に政府が国家公務員給与臨時特例法案を国会に提出した際、そして10月に人事院勧告を行わず同法案の成立を目指すと決定した際に、それぞれ声明を発表し、この法案への反対の立場を明らかにしてきました。また、その立場から国会を含む各方面への働きかけを強めてきました。

国家公務員給与の臨時特例措置に反対する私たちの主張は、1)他のいかなる国民とも同等の基本的人権を有する国家公務員を狙い撃ちにし、国家公務員の労働基本権を制約する代償措置としての人事院勧告を無視する臨時特例措置は憲法違反であること、2)国家公務員と、公務員給与に直接、間接に影響を受ける勤労者の生活を破壊するものであること、3)今回の臨時特例措置が被災地の国家公務員にも同様の引き下げを行うものであること、4)国家公務員給与は、地方公務員、民間の労働者などへ広く波及し、結果として景気の後退をまねき、日本のデフレを悪化させるので、その大幅な減額は震災からの復旧復興には資するものではないこと、5)震災からの復旧・復興のための財源は別の方法により広く国民が分かち合うものとすべきであり、国民の一部である国家公務員のみが負うべきものではないこと、が理由です。

今回、第180回通常国会に議員立法として提出され成立した「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」も同様の問題を持っています。その上、今回の法律は、2011年人事院勧告平均0.23%の給与引き下げを実施した上で、2年間、それを含み平均マイナス7.8%の給与引き下げを行う臨時特例と説明されています。しかし、人事院勧告は、労働基本権を行使できない国家公務員に対し、代わって勤務条件を保障することが本旨であり、人事院勧告を下回る今回の措置は、国家公務員の権利を著しく侵害するものと言わざるを得ません。また、地方公務員給与について地方公共団体での対応を求めるという、地方自治の趣旨に反する規定を盛り込んだものであり、その点についても強く反対します。これらの点から、この法案の成立に抗議するものです。

国立大学を含む独立行政法人の役職員給与について、内閣は、昨年6月3日の政府提案の法案に関連し、6月3日及び10月28日の閣議決定で、「法人の自律的・自主的な労使関係の中で、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、必要な措置を講ずるよう要請する」としています。

新しい法案の成立を受け、政府は、このような強要とも言える要請を行うことなく、独立行政法人、国立大学法人に対しは、それぞれの法人の真に自主的な判断に委ねるべきです。また、そうした自主的な判断を保障し、それぞれの法人が負っている社会に対する責任を果たす基盤となる運営費交付金を、国家公務員の臨時特例措置と連動させ削減することのないよう、強く求めます。

全大教は、今回の法律によって著しく侵害された国家公務員の権利の回復と、国公立大学・大学共同利用機関・国立高専が国民のために役割を発揮し続けられるようその充実と発展のために、今後とも力を尽くしていくことを表明します。

 

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