大学生学力不足に年1共通試験で喝 文科省計画 『中国新聞』2012年2月16日付

『中国新聞』2012年2月16日付

大学生学力不足に年1共通試験で喝 文科省計画 

 文部科学省は16日、大学教育の効果検証のため、学生に年1回程度の共通試験を複数回受けさせ、成績がどれほど向上するかを分析する初の実態調査に乗り出す方針を決めた。日ごろの授業への関心や意欲を調べるアンケートも行う。 

 来年度から大学関係者や有識者を交えて詳しい調査手法の検討を始め、早期の実施を目指す。 

 志願者と定員が同数となる「大学全入時代」を迎え、学力試験を課さない多様な推薦入試などが拡大。文科省によると、2009年度に補習など学生の学力不足に対応した措置を取った大学は全体の67%に上る。調査はこうした学力不足も踏まえ、現行の大学教育を評価してカリキュラム改善にもつなげるのが狙い。 

 文科省は調査に参加するかどうかは各大学の判断に任せる考えだが、参加校が多数に上れば今後の大学改革の在り方にも大きな影響を与えそうだ。 

 共通試験は読解力、文章表現力、数学的能力などを調べる。 

 アンケートでは(1)授業への関心や意欲(2)授業を受けた成果(3)教員とのコミュニケーションの度合い―などを学生自身が評価し、大学ごとに集計して各校の教育課題を浮かび上がらせる方針。 

 米国では、複数の教育団体が大学での学習の効果を測定する試験を実施。1年生と最終学年を対象に、文章表現力や論理的な思考力を測るものなどがある。

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