大学生活の頼みは奨学金 2人に1人が受給 MSN産経ニュース配信記事2012年2月16日付

MSN産経ニュース配信記事2012年2月16日付

大学生活の頼みは奨学金 2人に1人が受給

私立大学の合格発表が出始め、受験生にいよいよ学生生活が目の前に迫ってきました。保護者の側でどれだけお金を用意しなければならないかは、このコーナーでたびたび紹介してきました。では学生側から見ると、生活費などの現状はどうなっているのでしょうか。先頃発表された日本学生支援機構の2010(平成22)年度「学生生活調査」(2年に1度、02<同14>年度までは文部科学省が実施)から、学部生(昼間部)の結果を見てみましょう。

年間の学生生活費は平均183万500円で、前回調査(08<平成20>年度)に比べて約3万円減っています。このうち117万円は学費で、生活費は1万5,800円減の66万500円となっています。ちなみに、20年前(1990<平成2>年度)は学費86万500円、生活費78万2,800円の計164万3,300円。バブル経済の最末期だった保護者世代と比べると、学費は30万円余り増え、生活費は10万円以上減ったことになります。

もちろん自宅通学か自宅外かで、学生生活費はずいぶん違ってきます。自宅生の場合は160万7,400円ですが、自宅外生の場合は213万4,700円。国立大学に通う自宅生(108万5,600円)と、私立大学に通う自宅外生(236万3,200円)では2倍以上の開きがあります。

自宅外生(学寮生を除く)の学生生活費のうち、生活費は年104万7,500円で、月にならせば8万7,300円。内訳を見ると、食費は26万6,200円(月2万2,200円)、住居・光熱費は48万7,000円(月4万600円)、娯楽・嗜好(しこう)費は14万7,300円(月1万2,300円)などで暮らしているわけです。

そうした支出を、どうやってまかなっているのでしょうか。学生の平均収入は198万8500円で、前回調査に比べ21万円ほど減って200万円を割り込みました。内訳は「家庭からの給付」(仕送り)が122万7,500円(2年前比22万1,900円減)、奨学金が40万2,700円(同6万6,000円増)、アルバイトが30万6,900円(同5万1,400円減)などとなっています。

このうち注目されるのが、奨学金です。収入額に占める割合は、2002(平成14)年度は10.1%に過ぎませんでしたが、調査のたびに上昇し、10(同22)年度は20.3%と収入の5分の1を占めるに至っています。もちろん、これは奨学金の給付を受けている学生と、受けていない学生の平均です。奨学金を受けている学生の割合は、1996(平成8)年度が21.2%と5人に1人ほどでしたが、2000(同12)年度以降に急増し、10(同22)年度は50.7%と2人に1人が受けるまでになりました。12(平成24)年度の奨学金拡大については先の記事で紹介しましたが、今や大学生活にとって奨学金は、一部の家庭の話ではなく、多くの学生にとって欠かせない収入源になっているのです。

仕送りでは足りないためアルバイトをしている学生は全体の40.3%で、前回調査に比べ3ポイント近く増えています。しかし今は大学生活も忙しく、労働条件も良くないため、先に見たようにアルバイト収入額は若干下がっています。仕送りが減った分苦しい生活を余儀なくされているという今どきの学生の実態が、数値にも表れています。

(提供:Benesse教育情報サイト)

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