佐賀大、総合内科医養成へ 富士大和温泉病院に拠点『佐賀新聞』2012年2月11日付

『佐賀新聞』2012年2月11日付

佐賀大、総合内科医養成へ 富士大和温泉病院に拠点 

 佐賀大学医学部附属病院は4月、佐賀市の富士大和温泉病院内に「総合内科研修センター」(仮称)を新設する。研修医数人を毎年度受け入れ、地域住民の日常的な疾患に対応でき、かかりつけ医にもなる総合内科医を育成。医師不足や偏在に悩む中核医療機関への定着を目指す。

 従来の医師養成の教育カリキュラムは臓器や分野別の専門医療に偏り、進路も専門性に沿って分化しがち。そこで一定の専門性を生かしながら疾患を広く診ることができる総合内科医の養成拠点を、高度医療を専門にしている大学病院とは別に、市中の基幹病院に「サテライトセンター」として設けることにした。

 具体的には医学部を卒業して総合内科医を目指す後期研修医を毎年度、数人受け入れる。附属病院は指導医を平日フルタイムで派遣。研修医は外来診療を通して総合的な知識や診療技術、患者対応を身に付ける。総合内科と専門内科研修を交互に受けることができ、県内の別の中核病院での循環器や消化器などの専門的な研修を組み入れる。

 佐賀大は県地域医療再生計画に基づき、県と共同で2013年度までに産科・小児科などの医師27人を養成する寄付講座に取り組んでいる。今回のセンター新設は、寄付講座で連携している富士大和温泉病院との間で継続的に総合内科医を養成する仕組みを整える狙いもある。附属病院と結ぶ電子カルテや画像システムなど診療基盤整備は県が担い、ICT関連の環境整備費は13年度までで総額約5700万円。

 県北部や西部の中核病院では医師不足や偏在が続いており、さまざまな疾患に初期対応でき、専門医につなぐ総合内科医の役割が重要視されている。附属病院の宮崎耕治病院長は一連の育成体制づくりについて「地域医療の再生に必要な総合内科医を育てる新しいモデルになり得る」と話している。

 

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