理研と埼玉大などが技術研究組合を設立へ 半導体の塗布技術を生かした新世代装置開発目指す『産経新聞』2012年1月24日付

『産経新聞』2012年1月24日付

理研と埼玉大などが技術研究組合を設立へ 半導体の塗布技術を生かした新世代装置開発目指す

 有機半導体をフィルムなどに塗った太陽電池の実用化に向け、理化学研究所(埼玉県和光市広沢、野依良治理事長)と埼玉大学(さいたま市桜区、上井喜彦学長)は23日、化学メーカーなど5社とともに、共同研究などを行う「新世代塗布型電子デバイス技術研究組合」を24日に設立することを明らかにした。

 技術研究組合とは、技術向上と実用化に関する試験研究を民間企業や大学、研究機関が共同で行い、知見やノウハウを相互に補完するためのもので、埼玉県内では初めての設立となる。

 太陽光など再生可能エネルギー利用への転換が叫ばれる中、有機半導体を溶剤に溶かして塗布、乾燥させれば、室内などの弱い太陽光でもエネルギーに変えられる「有機薄膜太陽電池」を作り出す研究が現在、世界中で進められている。

 同組合で開発を目指すのは、静電塗布法と呼ばれる方法を利用して半導体を塗布し、エネルギー変換効率の高い太陽電池を作り出すこと。平成27年までの実用化を目指している。このほか、この技術を発光装置やトランジスタなどの開発に応用したいとしている。

 組合の理事長に就任する理研・社会知創成事業有機光電子工学研究チームの田島右副(ゆうすけ)チームリーダーは「今後は子供や高齢者でも使えるモバイルパソコンの進化形や、生活に密着した電子機器が求められる。軽くて落としても壊れず、廃棄が容易な製品の開発を早期に実現したい」と意気込んでいる。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com