『中日新聞』富山版2012年1月24日付
北電が富大に「電力講座」 人件費や研究費を寄付
北陸電力は四月から、富山大大学院理工学研究部に、電力の基礎から再生可能エネルギーの電力系統対策までを研究する「先進電力システム寄付講座」を設置する。北電が人件費や研究費などの経費を寄付する講座開設は初めて。同大五福キャンパスで二十三日、目録と感謝状の贈呈式が開かれた。
設置は五年間。教授に電力中央研究所の田中和幸氏(59)を、助教に東京大大学院博士課程三年の河辺賢一氏(26)を招いて研究室を新設。工学部生と大学院生六人を指導しながら研究を進める。研究内容は、発電から使用までの電力系統。太陽光発電など再生可能エネルギーを大量普及するための電力系統の対策まで学ぶ。
工学部生に送配電工学の講義を週一回のペースで実施。金沢大に非常勤講師として出向き、同じ講義をする。同大での結果を評価して、北陸のほかの大学への派遣拡大も検討する。
式では、北電の久和進社長が「太陽光など分散型電源の新しい分野も含めて勉強して、社内の研究開発とも連携できれば」と期待した。 (山田晃史)