行政刷新会議:歳出削減額示さず 独法、特会改革案了承『毎日新聞』2102年1月20日付

『毎日新聞』2102年1月20日付

行政刷新会議:歳出削減額示さず 独法、特会改革案了承 

 政府は19日の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)で、特別会計を従来の17から11に減らし、独立行政法人は102から65以下に約4割削減する案を了承した。24日召集の通常国会に関連法案を提出する。ただ、肝心の歳出削減効果は「計るのが難しい」(岡田克也副総理兼行政改革担当相)と示さずじまい。政府や政治家の「身を切る改革」によって消費増税への理解を得たい野田佳彦首相の意気込みと比べると、歯切れの悪さも否めない。【中島和哉】 

 19日の会議では、事業の目的が達成された場合などは速やかに特会や勘定を廃止し、一般会計に統合すべきだとする特会改革の基本方針を決定。社会資本整備事業特会の12年度末の廃止や、エネルギー対策特会の一般会計化の検討も決めた。 

 首相は会議の冒頭あいさつで、内閣改造で蓮舫前行政刷新担当相から行革を引き継いだ岡田氏を刃物に例え、「蓮舫さんの舌鋒(ぜっぽう)鋭いメスの切り口から、今度は岡田さんの突破力を生かしたナタの力を活用したい」と強調。岡田氏も会議後の記者会見で、小泉政権で特会の不透明さを批判した塩川正十郎財務相(当時)の例えを引き「母屋(一般会計)がおかゆ、離れ(特会)ですき焼きというのは過去の話になった」と自賛した。 

 しかし、民主党が09年衆院選マニフェストで「独法・特会予算などから約6・1兆円の財源を捻出できる」とアピールしていたのに比べ、今回の改革による効果は見えにくい。特会や独法が廃止されても関連予算の規模が縮小する保証はない。岡田氏も「数を減らせばいいというものではない」と認めたが、具体的な削減額については「間接経費は削れる」などと言葉を濁した。 

 民主党の行政改革調査会は、今月末までに公益法人改革などの提言もまとめる見通し。政府・与党は各分野の行革を統合して全体像を示す「行政構造改革法案」を、通常国会に提出する方針だ。同日の調査会総会後、事務局長の階猛衆院議員は「全体として定量的な(歳出削減の)目標を書きたい」と強調したが、行革が首相の思惑通りに進むかは不透明だ。

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